2026.08.03

お盆のお供えにおすすめのお菓子は?きゅうり・なす以外の精霊馬もあるって本当?

日本の夏の伝統行事であるお盆。実家への帰省や、仏壇・お墓の掃除などを予定している方も多いのではないでしょうか。お盆の風習としてよく知られる「精霊馬(しょうりょううま)」や「お供え物」は、ご先祖様をお迎えし、故人を偲ぶための大切な準備とされています。

この記事では、きゅうりやなすで作る精霊馬に込められた意味や地域による違い、SNSで話題の現代風アレンジ、お盆のお供えにおすすめのお菓子の選び方やマナーまで、知っておきたい豆知識を分かりやすく解説します。

お盆に飾る「精霊馬」とは?きゅうりとなすに込められた意味

精霊馬

お盆になると仏壇や盆棚、玄関先などに、きゅうりやなすに割り箸などで足を付けた動物のような飾りを目にすることがありますね。これは「精霊馬(しょうりょううま)」と呼ばれ、ご先祖様があの世とこの世を行き来するための「乗り物」とされています。※1※2

スラリとしたきゅうりは速く走れる「馬」に、ふっくらとしたなすは歩みのゆっくりとした「牛」に見立てられています。そこには「馬に乗って少しでも早く帰ってきてほしい」「帰りは牛にお供え物を乗せて、ゆっくり戻ってほしい」という願いが込められているといわれます。※1ただし、この意味づけは全国共通ではありません。「ゆっくり丁寧にお迎えしたい」と考えて牛で迎える地域や、行きも帰りも馬を使う地域もあります。

飾り方は地域や宗派によって異なりますが、一般的には、迎え火では頭を仏壇の内側や家の内側に向けて飾り、お盆の間は仏壇前に設置する盆棚や精霊棚に飾っておきます。そして送り火では頭を玄関や窓側に向けることが多いようです。※2

精霊馬の起源ははっきりしていませんが、平安時代に貴族の間で麦わらや瓢(ひさご)を使って馬と牛が作られていたという説があります。しかし、お盆の行事が一般の家庭にも広がってきたのは江戸時代になってからです。当時は農家が多く、夏に全国どこでも手に入りやすい旬の野菜だったきゅうりとなすが使われるようになったと考えられています。※2

☆日本のさまざまな季節行事とかかわりが深い食べ物について、詳しくはこちらをご覧ください。
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精霊馬はいつからいつまで飾る?
地域によって異なるお盆の時期や風習

精霊馬

精霊馬の素材や作り方は全国共通ではありません。きゅうりやなすだけでなく、地域の気候や特産物に合わせて、さまざまな形の精霊馬が作られています。

一般的な精霊馬は、きゅうりやなすに割り箸や爪楊枝、麻がら(おがら)などを刺して馬や牛に見立てて作ります。また、地域によっては麺類を手綱に見立てて使う地域もあります。沖縄では、精霊馬ではなく長いサトウキビを、ご先祖様が帰るときに転ばないよう「杖」に見立ててお供えする文化があります。※3※4

精霊馬を飾る時期も地域によって異なります。明治時代に旧暦から新暦に移行した際にお盆の時期に地域差が生まれたためです。全国で広く執り行われる「8月盆」のほか、東京23区を中心とした一部地域や、金沢市・函館市の旧市街地などで行われる「7月盆」、沖縄などで受け継がれている旧暦に基づく「旧盆」があります。一般的な7月盆と8月盆ではそれぞれの月の13日の「迎え盆」に飾り始め、16日の「送り盆」に下げます。一方、旧盆は月の満ち欠けを基準に決められる旧暦(太陰太陽暦)に基づくため、毎年日付が変わります。旧暦7月13日の迎え盆に飾り始め、15日の送り盆に下げるのが一般的です。

送り火を終えたら精霊馬はどうすればよいのでしょうか。精霊馬はご先祖様の乗り物と考えられているため、食べずに処分することが多いようです。お盆の間、常温で飾られ傷んでいる可能性もあります。感謝の気持ちをこめて処分しましょう。

ご先祖様へのおもてなし
お盆の精霊馬はバイクや新幹線など現代風に進化

お盆

近年では、ご先祖様らしい乗り物で快適な旅をしてもらいたいという思いを込め、ユニークな「現代風の精霊馬」がSNSなどで話題になっています。きゅうりやなすを器用に飾り切りし、故人の好みに合わせた乗り物に仕上げたもので、バイクやスポーツカー、新幹線、飛行機のほか、UFOやタイムマシンをモチーフにした精霊馬も見られます。

さらに、れんこんやゴーヤ、オクラなどの野菜を使って豪華な2頭立ての馬車に仕上げたり、マンガやアニメのキャラクターを表現したり、競走馬をモチーフにした精霊馬が制作されたりと、アイデアあふれる作品が数多く投稿されています。

一方で、最近は生野菜を使わない精霊馬も登場しています。夏場の傷みが心配な場合や、準備や片付けの負担を軽くしたい場合に、ガラスや布製品などで作られた精霊馬を選ぶケースもあるようです。こうした精霊馬ならお盆が終わった後に処分する必要がなく、毎年繰り返し飾ることができますね。

形や素材は時代とともに変化していますが、ご先祖様をしのび、心を込めて歓迎するという思いは、今も昔も変わらず受け継がれています。

お盆のお供え物に喜ばれるお菓子は?
おすすめのお菓子とマナー

お供え物

お盆やお彼岸、お墓参りでは、精霊馬とは別にお供え物をします。これは「供物(くもつ)」と呼ばれ、仏教における供養の基本である「五供(ごくう)」の考え方に基づいてお供えします。

「五供」とは、お線香(香)、お花(花)、ろうそく(灯り)、お水(浄水)、そして食事やお菓子などの「飲食(おんじき)」を供えることです。「飲食」は、仏様やご先祖様への感謝や供養の気持ちを込めて、ご飯や果物、お菓子などをお供えするものです。お盆が終わった後は、「お下がり」として家族でいただきます。※5

では、「飲食」としてはどのような品物を選べばよいのでしょうか。お供え物は地域や宗派によって考え方が異なりますが、お盆では肉や魚を使ったものは避けるのが一般的です。※6

また、暑い時期のお供えには、常温保存可能で日持ちする個包装のものが適しています。特に、お盆明けに親族で分けやすいよう、次のようなお菓子が重宝されます。

・冷やして食べられる水ようかんやゼリー
・日持ちがして分けやすいおせんべいやクッキー
・常温保存が可能で日持ちする落雁などの干菓子
・見た目が華やかで日持ちもするフィナンシェやマドレーヌなどの焼き菓子

ご先祖様の好物だったお菓子を選び、思い出話に花を咲かせるのも、お盆ならではの過ごし方のひとつです。

☆みんなでシェアできるアソートお菓子は、お盆の帰省や集まりにおすすめです。
三幸の3種アソート
三幸のおつまみよりどり3種アソート

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【参考文献】
※1 株式会社 ウェザーニューズ
https://weathernews.jp/news/202508/100276/
※2 株式会社 はせがわ
https://www.hasegawa.jp/blogs/kuyou/obon-ushiuma
※3 沖縄県花卉園芸農業協同組合
https://www.taiyo-hana2.jp/%E6%97%A7%E7%9B%86-2/
※4 沖縄セルラー電話株式会社
https://www.okinawaclip.com/post/1707281238/
※5 ヒューマンアカデミー株式会社
https://haa.athuman.com/media/japanese/culture/2299/
※6 イオンライフ株式会社
https://www.aeonlife.jp/knowledge/manner/manner_obon_osonae

  • 澤 晶子

  • ライタープロフィール
    澤 晶子(サワ アキコ)
    WEB編集者・ライター
    長年、学習塾・家庭教師勤務。フレンチ・イタリアンレストランでの勤務経験も豊富。趣味は食べ歩きと料理。季節のグルメのお取り寄せにも目がなく、特に地方限定銘菓が大好きです。