2026.06.01

茶香炉で広がるお茶の香り 茎茶やほうじ茶などおすすめの茶葉とおしゃれな楽しみ方

私たちの身近にあって馴染み深いお茶を香りから楽しめる道具、「茶香炉」をご存知でしょうか。お茶の葉を茶香炉で温めれば自然で優しい香りを楽しむことができ、灯りによる落ち着いた空間も演出できます。

本記事では初めて茶香炉に触れる方に向けて、茶香炉におすすめの茶葉の種類や香炉の選び方、さらにはお茶の香りを楽しむだけにとどまらない、おしゃれな使い方を解説します。忙しい毎日、お茶の香りに包まれて、のんびりした時間を過ごしてみませんか。

茶香炉とは?香ばしいお茶の香りの楽しみ方

茶香炉

「茶香炉(ちゃこうろ)」とは、小さな皿にのせた茶葉を、下からキャンドルや電気の熱で温め、立ち上る香りを楽しむ道具です。茶香炉は比較的新しい道具とされており、2001年に「全国地場産業大賞」を受賞したことで評判となり、徐々に全国へと普及しました。※1

緑茶はもともと日本で馴染み深い飲み物です。日々、お茶をいれて飲んでいる方は多いと思いますが、近年では、お茶の香りだけを堪能する楽しみ方もあります。乾燥したお茶の葉を加熱すると、香り成分の「ピラジン」が生まれ、ローストしたナッツのような心地よい香りが部屋中に広がります。また、緑茶を使った場合は最初に青みのある爽やかな香りが漂い、焙煎が進むと、今度は香ばしいほうじ茶のような香りへと、じわじわ変化する香りのグラデーションも楽しむことができます。※2

茶葉の「カテキン」には消臭・抗菌作用があるとされており、茶香炉を使って茶葉を温めることで、生活空間の気になるニオイを和らげるメリットも期待できます。和風旅館の中には玄関や客室に茶香炉を置き、お茶の香りでお客様をお出迎えしているところもあるようです。

自然由来の穏やかな香りに加え、揺れ動くキャンドルの炎や、ランプから注がれる柔らかな光も、日常にちょっとした心地よさを添えてくれます。香料やアロマオイルをわざわざ購入することなく、自宅にあるお茶の葉を使える手軽さも魅力のひとつです。

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茎茶?棒茶?かりがね?
茶香炉におすすめの茶葉の種類とその特徴は?

茶香炉 茶葉

茶香炉には基本的にはどんな茶葉でも使えますが、その香りはお茶の種類によって異なります。おすすめなのは、葉より茎を多く含む「茎茶(棒茶)」です。葉に比べて茎の部分には、花のような甘い香りのもとになるリナロールやゲラニオールという香り成分がより多く含まれており、茶香炉との相性がとても良いといわれています。※3

特に玉露などの高級茶から採れる茎茶は「かりがね(雁がね)」と呼ばれ、※4茶香炉に使うと、いっそう深みのある贅沢な香りを楽しめます。厚みがあるものなら焦げにくいので、爽やかな青みから香ばしさへの変化が長く持続します。

ちなみに「茎茶」を「棒茶」と呼ぶのは、文字通り形が棒のようだから。高級茶の茎茶を「かりがね」と呼ぶのは、渡り鳥の雁が海で休む「浮き木」に形が似ていることからだそうです。風流な呼び名ですね。※5

もちろん、一般的な緑茶(煎茶)でも十分に茶香炉は楽しめますし、はじめから香ばしい香りを楽しみたい場合は、ほうじ茶を使うのもおすすめです。高価な茶葉を使わなくても、少し古くなったお茶や、乾燥させた出がらしでも、ティースプーン1杯で驚くほど豊かな香りを楽しめるでしょう。加熱している間に時々混ぜると、さらに香りが強くなります。

茶香炉は、日本茶以外に紅茶やハーブティーを使っても楽しめます。日本茶よりも甘くフルーティな香りや、ハーブの種類に応じた爽やかな香りが広がりますよ。

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茶香炉は電気式がおすすめ?初心者にも使いやすい種類とは

茶香炉には、キャンドル式と電気式のものがありますが、初心者にとって扱いやすいのは、火を使わない「電気式」の茶香炉です。安全に使いやすく小さなお子さんやペットがいる家庭でも取り入れやすいでしょう。また、温度調節機能付きのものなら、好みに合わせて香りの強さを調整しやすく、茶葉が焦げにくい点も魅力です。さらに、皿を取り外せる「上皿分離型」なら、お手入れも簡単です。

一方、キャンドル式の茶香炉はお茶の香りに加え、揺れる炎を目からも楽しむことができ、癒しの空間を演出するのにぴったりです。雰囲気を重視したい方にはキャンドル式がよいかもしれません。

どのようなタイプを使うにしても、茶香炉は倒れにくい平らな場所に置くことが重要です。特にペットや小さなお子さんがいるご家庭では手が届かない場所、ぶつかって香炉がひっくり返ることがない場所で使いましょう。

また、茶香炉が火元となって火災になったケースも報告されています。ロウが垂れることを気にして、アルミ箔を敷く方もいるようですが、アルミは熱が伝わりやすいので、異常燃焼を起こしたり火が移ったりして、火災につながる危険性があります。茶香炉は使用方法を守って正しく使用することが大切です。炊いている最中に外出したり、就寝したりしないように注意しましょう。※6

香りを楽しむだけじゃもったいない!
茶香炉のおしゃれな活用法

茶香炉 おしゃれ

茶香炉は、お茶の葉を温めて香りを楽しむだけではありません。お茶以外の素材を使ってさまざまな楽しみ方ができるのも茶香炉の魅力です。例えば、コーヒー豆を砕いて乗せれば、コーヒーの香り漂うカフェのような空間に。また、乾燥させたハーブやシナモンを混ぜ、オリジナルの香りを楽しむのも、おしゃれな楽しみ方です。好きなハーブや乾燥させたかんきつ類の皮などを乗せ、ナチュラルな自然の香りを楽しんでみては。

香りを楽しんだ後の茶葉は、焦げていなければ自家製の「ほうじ茶」として飲むこともできます。慣れてくると、焙煎度にこだわった自分だけの「ほうじ茶」を作ることもできそうですね。

多くの茶香炉には透かし彫りのような穴が開いています。電気式のタイプでもキャンドル式のタイプでも、夜には香炉から漏れる光を間接照明のように楽しめるので、香りだけでなくインテリアをランクアップさせる小物のひとつとして、活躍させてみてはいかがでしょうか。

☆十五夜やお月見の楽しみ方など、季節の行事を楽しむ和の暮らしについては、こちらの記事をご覧ください。
「中秋の名月」十五夜はいつ?お月見の楽しみ方と月見団子のレシピ

【参考文献】
※1 山寺
https://www.yamaderakk.co.jp/cyakouro.html
※2 茶の庭
https://www.chanoniwa-online.com/blog/column/tea-incense-burner/
※3 山一園製茶
https://www.yamaichien.com/user_data/knowledge.php
※4 株式会社 伊藤園
https://www.ocha.tv/varieties/nihoncha_varieties/kukicha/
※5 松北園
https://www.ujicha.com/knowledge/karigane.html
※6 消防防災博物館
https://www.bousaihaku.com/foffer/7323/

  • 澤 晶子

  • ライタープロフィール
    澤 晶子(サワ アキコ)
    WEB編集者・ライター
    長年、学習塾・家庭教師勤務。フレンチ・イタリアンレストランでの勤務経験も豊富。趣味は食べ歩きと料理。季節のグルメのお取り寄せにも目がなく、特に地方限定銘菓が大好きです。